令和三年度社会保障関係費35.8兆円

令和3年度予算案、社会保障関係費は前年度比0.4%増の35.8兆円

政府は12月21日、一般会計の総額が106兆6,097億円となる令和3年度予算案を閣議決定した。前年度の当初予算と比べて3兆9,517億円(3.8%)増加。医療・介護などの社会保障関係費は、1,507億円(0.4%)増の35兆8,421億円で、一般会計全体の3割超を占めている。

厚労省の関係予算案では、一般会計の総額が1,519億円(0.5%)増の33兆1,380億円。このうち、社会保障関係費は前年度の当初予算よりも1,609億円多い32兆7,928億円。内訳は、「年金」12兆6,213億円、「医療」12兆799億円、「介護」3兆4,862億円などとなった。

医療・介護関連では、地域医療構想の実現に向けた地域医療介護総合確保基金による支援で851億円を計上。これにより、病床の機能分化・連携などに関する取り組みを進めるとともに、感染症対応の観点も踏まえた医療提供体制の構築の推進を後押しする。また、地域医療構想を進めるための病床機能再編の支援に195億円を充てる。

さらに、医療従事者の働き方改革の推進に44億円、医師の偏在対策の推進に19億円、新型コロナウイルス感染症下の介護・福祉サービス提供体制の継続的な支援に新規で12億円をそれぞれ計上した。メディアパーソン発信

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歴史的ピリオド

百貨店各社はあとどれくらいもつのか

コロナ以前(2020年2月期、3月期)の売上総利益、販管費から、これからの1カ月当たりの営業損益を試算ました。試算の前提は「7割経済」。売上総利益はコロナ以前の3割減の7割とします。一方、コストである販管費はそのまま3割減とすることは難しいため2割減の8割とします。これと、最新の中間決算の現金預金を用いることで、あとどのくらいで現金預金が枯渇するかがわかります。

三越伊勢丹ホールディングスの売上総利益は3227億円で、ここから3割減の値は2258億円。1カ月当たりの売上総利益は188億円になります。  販管費は3070億円ですが、2割減の値は2456億円です。1カ月当たりの販管費は204億円になります。

このため【売上総利益(188億円)-販管費(204億円)=-16億円】となり、1カ月当たりの営業損失は16億円です。中間決算の現金預金は459億円ですから、枯渇までは28カ月(2年4カ月)と計算。

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ペット法律相談

犬や猫といったペットが交通事故で死傷した場合に、飼い主に慰謝料が認められるのか。ペットと慰謝料について法的に検討したい

1.物的損害と慰謝料
ペットが死傷した場合、発生する損害の種類は物的な損害です。自動車の修理が必要となった、所有物が毀損されたというように物に損害が生じた場合にその損害を物的損害といいますが、ペットが死傷した場合もこれらと同様に物的損害とされています。他方で、人が怪我を負った、死亡したという場合は、人に関する損害ですので人的損害といいます。

人的損害については、入通院日数や後遺症が発生すればそれに応じて慰謝料が認められます。一方で、物的損害については、財産上の損害が賠償されれば(例えば、自動車の修理費が支払われる、毀損された物が弁償される等)、それと同時に精神的苦痛も慰謝されたと考えられるため、別途慰謝料を認めることができないとされるのが一般的です。もっとも、ペットについては、特別の主観的・精神的価値を有し、財産的損害の賠償を認めただけでは償い得ないほど甚大な精神的苦痛を被った場合には、例外的に慰謝料が認められるとする裁判例が多く、近時の裁判例でも同様の傾向です。

2.ペットについて慰謝料を認めた裁判例
平成20年9月30日名古屋高裁判決では、ペットに関する慰謝料について、「飼い主との間の交流を通じて,家族の一員であるかのように,飼い主にとってかけがえのない存在になっている」「動物が不法行為により重い傷害を負ったことにより,死亡した場合に近い精神的苦痛を飼い主が受けたときには,飼い主のかかる精神的苦痛は,主観的な感情にとどまらず,社会通念上,合理的な一般人の被る精神的な損害であるということができ」る旨判示したうえで、第二腰椎圧迫骨折に伴う後肢麻痺の傷害を負った飼い犬について、飼い主との交流を通じて家族の一員であるかのように、かけがえのない存在になっていたと認定し、飼い犬の負傷の内容や程度、飼い主らの介護の内容程度等を考慮して、飼い主二名に対しそれぞれ20万円、合計40万円の慰謝料を認めています。

当該事案はペットが死亡していない事案であるにもかかわらず、40万円とかなり高額な慰謝料をみとめた点で特殊です。特殊ゆえに、他の事案でも同様の結論になるとは限りませんが、どのような場合に慰謝料が認められるのかを考えるにあたっては参考になります。

3.ペット以外の物的損害についての慰謝料
前述のように、ペット以外の物的損害についての慰謝料は、基本的に認められないことに注意が必要です。例えば自動車が廃車になってしまった場合の慰謝料ですが、自動車への思い入れが大きくとも、慰謝料は基本的には認められません。

引用 弁護士法人天満法律事務所(大阪市北区西天満)

ペット飼い主視点、獣医視点、社会視点など、幅広い事件なので、天満法律事務所はお薦めです

 

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歯周病と白血病の治療

歯周病と白血病の治療

現在、急性骨髄性白血病の治療は抗がん剤でがん化した細胞を減少させることが第一選択であります。この治療の副作用としては正常な白血球細胞も減少して免疫が機能しなくなるということがあります。従って、また抗がん剤の治療により唾液の分泌も減少しますので口の中の歯周病菌は爆発的に増殖します。その菌が歯周ポケットの内面の傷ついた粘膜から毛細血管の中へ入り込み、敗血症を起こす可能性もあるのです。

歯と歯肉の隙間を歯周ポケットと言いますが、これが5ミリの深さの人は28本歯があると仮定すると、全てもポケット内の潰瘍の表面積は、手のひらほどになります。

手のひらが潰瘍で血だらけの状態を想像してください。それを細菌がいっぱい繁殖している腐った水の中に血だらけの手のひらを浸していることと同じなのであります。そんな状況で白血球がなくなり免疫が機能しなくなったらとんでもないことになります。歯周病菌を退治するために抗菌剤(抗生物質)を使用しますが、ここで問題なのが薬剤耐性菌であります。抗生剤が効かない場合、全身に細菌がそして死亡します。

薬剤耐性(Antimicrobial Resistance: AMR)について

菌とは目で見ることはできない小さな生物です。一つの細胞しかないので単細胞生物と呼ばれます。細菌は栄養源さえあれば自分と同じ細菌を複製して増えていくことができます。人の体に侵入して病気を起こす有害な細菌もいます。一方で人の生活に有用な細菌も存在します(納豆菌など)。人の体には多くの種類の細菌がいて、皮膚の表面や腸の中の環境を保っています。ヒトに病気を起こすことがある細菌として、大腸菌、黄色ブドウ球菌、結核菌などが知られています。抗菌薬(抗生剤、抗生物質)は細菌を退治するための薬です。抗菌薬が効かない、もしくは効きにくくなった細菌のことを薬剤耐性菌といいます。これまでなら効くはずの抗菌薬が効かなくなると、感染症の治療が難しくなるだけでなく、手術の時や抗がん剤治療で免疫が低下したときの感染予防など、さまざまな医療が困難になります。      AMR臨床リファレンスセンター

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歯周病の影響(米国事情)

米国成人の10人に8人は歯周病の影響を受けていると言われている。著名な科学誌に掲載された複数の研究は歯肉炎や歯周炎などの歯周病に罹患している可能性がある人は心臓病、アルツハイマー、脳卒中、その他の深刻な病気のリスクがあることを発見した。数年前から専門家は歯周疾患が心臓病と関連性があることを理解している。また、多くの研究は歯周炎と認知機能低下に直接的な関連性があることも示唆している。また、別の研究は唾液中の特定の細菌は脳卒中を引き起こす原因になることを発見した。専門家は、歯周疾患とこれらの深刻な他の病気との関連性は、診断と治療方法が変わる可能性を示唆し、歯周病の徴候を提起している。

フロリダ大学の研究者は、歯周病の原因と同じ細菌は心臓病も促進することを発見した。研究者は米国微生物学会の年次総会で、これらの発見は心臓病の診断と治療方法を変えることが可能になる事を示唆する研究結果を2014年5月18日アメリカ科学振興協会(AAAS)に発表した。心臓病は北米での死の主要因であり、歯周病は米国人口の46%に影響を与え、歯茎下の歯上に増殖する細菌によって引き起こされる。歯周病は長い間、心臓病の危険因子と見なされていなかっが、フロリダ大学の研究者イリーナ. ベルスコは、アテローム性動脈硬化、心臓病の危険因子を増加させた実験でネズミの血流に導入した実験結果の証拠を報告していると述べている。また「私たちの願いは米国心臓協会が、口腔疾患と心臓病増加に因果関係があることを認めることです。それは医師が心臓病患者を診断及び治療する方法を変えます」と述べた。研究者は歯周病の原因となる4タイプの特定細菌をネズミに感染させた実験で、その感染の拡大を追跡した。ネズミの歯肉、心臓、大動脈に細菌が検出された後 、研究者は心臓病に関連したコレステロールおよび炎症を含むリスク要因の増加を認めた。

口腔衛生の管理能力が低下する高齢者の歯周炎は一般的であるが、歯周炎の進行はアルツハイマー 病にも関連するリスクがある。2016年3月10日医学誌プロス.ワンに公表された最近の研究は、高度な歯肉疾患である歯周炎の問題がある場合、認知能力が急速に低下することと関連性があることを示唆している。約180日間の観察研究に 60の地域社会で軽度から中程度のアルツハイマー病を患う参加者は認知評価され、血液サンプルは全身性炎症マーカーのために採取された。歯の健康は認知結果を知らない歯科衛生士によって評価され、全ての評価は6ヶ月繰り返し行なわれた。その結果、歯周炎が増加した認知症の重症度と認知能力による急速な低下は直接関連していることを発見した。歯周炎を経験している人は、していない人に比較して認知機能低下は6倍速いことが判明。歯周病菌の抗体は密接に炎症に関連しており、これも認知症の進行を加速することに関連性があると報告された。

2016年2月5日に出版されたネイチャー誌によると、口腔感染症は疫学的に脳卒中に関連している。研究者は脳内出血を経験した人は唾液中にCNM陽性ストレプトコッカス.ミュータンスと呼ばれる特定のタイプの細菌を持っている可能性があること発見した。歯周病および虫歯のような口腔の乏しい健康を引き起こすことに加えて、この細菌は年齢によって弱くなった血管に特異的に結合することが可能であり、傷ついた血液脳関門に漏れ、出血を引き起こすことで脳卒中のリスクと関連性があると述べている。この研究は100人の急性脳卒中の被験者を対象に病院での観察によりCNM陽性ストレプトコッカス.ミュータンスの役割を調査した結果に基づいている。

歯周病はアメリカ成人の80%に影響を与え、多くの場合、未診断で症状は進行すると歯科専門家は警告している。歯周病になっている可能性が高い徴候には ⑴ 歯茎が赤く腫れている。⑵  歯を磨いている時またはフロスを使っている時、歯茎から出血する。⑶ 歯茎は歯から引っぱられているような状態である。⑷  慢性的な口臭があり、口中で不快な味がある。⑸ 歯が緩んでいるかまたはお互いに離れている。これらの症状が悪化すると、歯周骨及び歯を喪失する要因になる。メイヨー.クリニックは35歳前に歯を失った個人はアルツハイマー病のリスクがあるかもしれないと述べている。また、心臓病や脳卒中の他にも糖尿病、早産、骨粗しょう症など他多数の病気も関連していると述べている。糖尿病は、感染に対する体の抵抗力を低下させる為、歯茎を危険に晒すと述べている。歯周病は糖尿病を患っている人々にもっと頻繁で厳しい状況がある。幾つかの研究は、歯周病を経験している人達は血糖値を制御することがもっと困難である。骨が弱くて脆くなる骨粗しょう症は歯周骨及び歯の喪失にリンクしている場合があると述べている。

一般的に、様々な病気から自身の健康を守る事と充分な歯科衛生の管理には密接な関係があることを強く意識しない傾向があるが、これらの報告は口腔健康と全体的な健康との関連性に何らかのヒントを与えている。特に、アルツハイマー患者は歯科衛生と健康に注意を払わない傾向があるため、全ての人々は加齢と共に注意が必要であることを示唆している。忙しいライフスタイルの現代人にとっても興味深い研究結果である。

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SDM

インフォームド・コンセントからSDM(意思決定の共有)へ

SDM(Shared decision making)は、医療者と患者さんがエビデンス(科学的な根拠)を共有して一緒に治療方針を決定するもので「意思決定の共有」と呼ばれる。エビデンスが十分ある確実な治療法があれば、インフォームド・コンセント(Informed consent)が行なわれる。ところが、不確実性が高ければ治療の選択肢が多くなり、どの治療法がよいのか分からないときはSDMが必要になってくる。しかし、エビデンスが十分であればSDMは必要ないかというと必ずしもそうではない。例えば、がんの治療法について延命効果が2~3か月あることは確かであっても その期間のQOL(生活の質)、副作用や費用についても考慮する必要が出てくる。医師患者関係の分類について次のEmanuel論文が良く引用されるが「④がSDM」に該当する。
①パターナリズムモデル(父権主義モデル)
②説明と同意(インフォームド・コンセント)
③説明+患者の選択をサポート
④対話を通じて共に熟慮・判断(SDM)

具体的に、SDMをどうやっていくかであるが、意思決定を分かち合うということであるから、医療者は患者のことをよく知る必要がある。高齢者であれば、医療情報を聞いて理解すること自体が困難であり、①のお任せタイプになっても間違っているとは言えない。この場合、医師との信頼関係が築かれていることが前提となる。本来、医療は不確実でリスクを伴うものである。確かなエビデンスがあるといっても、臨床統計に基づいており、その患者がどうなるかは治療してみなければ分からない。ちなみに、エール大学の法学部で長年教鞭をとってきた精神科医でもあるJay Katzは、対話の重要性を説いているが、現代でも正論であると筆者は考える。『サイエンスとしての医学を支えるのは客観的なデータである。最近は医療機械や検査が次々と開発されて、医師も患者もそれに頼るあまり、両者の対話やスキンシップともなる診察が軽視されがちである。その結果、患者はいきなり検査を希望する。医師は検査に異常がなければ病気と考えない。そして患者の悩みや苦しみは癒されないことになる。従来の問診と身体診察の重要性を再認識する必要がある。対話によればお互い同士理解し合い、よい決断の共有(shareddecision-making)に導かれるだろう。その際、対話を始めるのは医師のつとめである。インフォームド・コンセントは対話の裏づけがあって始めて本来の意味が実現できるとともに、信頼の関係がなり立つ。』

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改善するつもりはない!

食習慣・運動習慣の改善、4人に1人が「改善するつもりない」

厚労省の令和元年国民健康・栄養調査

厚労省が10月27日に公表した「令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要」によれば、生活習慣病に関わる食習慣・運動習慣について「関心はあるが改善するつもりはない」人が4人に1人にのぼることが明らかになった。調査対象は4,465世帯で、その内、調査実施世帯数は2,836世帯となった。

「社会環境と生活習慣等に関する状況」の調査では、食習慣改善の意思について「関心はあるが改善するつもりはない」と回答した人の割合が男性24.6%、女性25.0%と最も高かった。「健康な食習慣の妨げとなる点」については「特にない」との回答が35.3%、次いで「仕事(家事・育児等)が忙しくて時間がない」との回答が27.5%となった。運動習慣改善の意思については「関心はあるが改善するつもりはない」との回答が男性23.9%、女性26.3%と男女ともに最も高かった。

BMI別で見ると、BMIが普通および肥満の者では、男女ともに食習慣改善には「関心はあるが改善するつもりはない」の割合が最も多かった一方、痩せの者では「食習慣に問題がなく改善する必要はない」との回答が最も多かった。

健康食品を摂取している者の割合は、男性30.2%、女性38.2%で、男女ともに60歳代で最も高い。健康食品を摂取している目的は、20歳代男性で「たんぱく質の補充」、20歳代女性で「ビタミンの補充」と回答した者の割合がそれぞれ最も高く、その他の年代では「健康の保持・増進」と回答した者の割合が7割と最も高くなっている。Media person

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味の素健保

メドピア、味の素健保に「オンライン医療相談」を提供

医師専用コミュニティサイトを運営するメドピア株式会社(代表:石見 陽)の連結子会社、株式会社Mediplat(代表:林 光洋)は10月23日、味の素健康保険組合(理事長:松澤 巧)に対し、産業保健支援サービス「first call」の「オンライン医療相談」の提供を開始したと発表した。これにより2万3,200人の味の素健保の加入者とそのご家族は、健康相談や新型コロナウイルス感染拡大の長期化に伴う様々な医療・健康上の疑問や不安をチャットやテレビ電話でいつでも専門医に相談できるという。

オンライン医療相談には、一般内科や小児科、産婦人科、精神科など全12科目での相談(匿名)に専門医が実名で回答。健康づくりや疾病予防策をオンラインでサポートする。医療相談は、従業員専用アプリ又はWEB版のいずれでも利用できる。また、経営者や人事・労務担当者が、「first call」に登録されている経験豊富な産業医に、自社での健康対策等についてチャット形式で相談することも可能だという。Media person

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株価

景気の先行きが暗いのに、株価はコロナ前の水準

新型コロナウイルスがなかなか終息せず、景気の先行き不安が増す中で、ひとり株価は堅調に推移している。日経平均株価は3月19日に1万6552円まで下げたものの、その後は急速に戻り、10月には2万3000円台と、ほぼ新型コロナ前の水準に戻っている。

景気の先行きが暗いのに、なぜ株価はしっかりしているのか。

日本を含む世界の中央銀行が新型コロナによる経済対策として、大幅な金融緩和に乗り出しており、世界的な「カネ余り」状態になっていること。ひとり10万円の定額給付金が支給され、とりあえず手元資金が増えた個人が株式購入に乗り出したことなどが原因とされるが、日本の場合、ひとつ特殊な事情がある。

GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が年金資産の運用のために「日本株」の購入を大幅に増やしているほか、金融緩和の一環として日本銀行が株式を投資対象とするETF(上場投資信託)の購入を拡大するなど、「公的資金」が株式市場に流れ込んでいるのだ。

すでにGPIFは2020年3月末で35兆5630億円の国内株式を保有している。公的機関は信用力の高い東京証券取引所市場1部銘柄しか原則買わない。この東証1部の時価総額は530兆6121億円だったので、東証1部企業の株式の6.7%を保有していることになる。

日本銀行とGPIFの株式購入が増え続けている

一方の日本銀行は3月末でETFを通じて31兆2203億円の株式を実質保有している。こちらは5.9%相当だ。この2つを足すと、東証1部上場企業のなんと12.6%が「公的資金」によって保有されている。

しかも、両者の株式購入は新型コロナの蔓延以降も、増え続けている。GPIFによる国内株の購入は全資産の25%という目安が設定されており、運用する年金資産が増えれば自動的に国内株の保有が増えていく。株価の上昇もあり、6月末の保有額は40兆333億円と40兆円を突破、時価総額588兆3504億円の、6.8%に達した。

さらに凄まじいのが日本銀行によるETF購入だ。新型コロナ対策の金融緩和の一環としてETF購入を「年最大12兆円」に拡大したことから、4月以降10月までで、すでに3兆9466億円を買い増した。残高は35兆円を突破、早晩、GPIFを抜いて日本最大の株式保有主体となることは間違いない。ちなみに民間最大の投資家である日本生命保険の保有額は約8兆円なので、その10倍近い圧倒的な存在だ。

東証1部上場企業の9割で「公的マネー」が大株主

朝日新聞が、東京商工リサーチとニッセイ基礎研究所の協力による推計として報じたところによると、3月末時点で、東証1部上場企業の8割に当たる1830社で発行済み株式の5%以上を持つ実質大株主になっているという。両者の保有分が10%以上になっている会社も約630社に達するという。

ちなみにGPIFや日本銀行の保有株は運用委託先が資産管理に使う信託銀行などの名義になり、両者の名前は表に出てこない。実質筆頭株主でも、名義が表に出ないので、「見えない大株主」となる。

こうした公的資金による民間企業の株式保有は世界の中でも異質で、株式市場の価格形成を歪めている、とみられる。GPIFは前述のように時価ベースで総資産の25%という目安を置いているため、国内株の価格が他の資産(外国株、外国債券、国内債券)よりも下がれば、半ば自動的に買い増しされることになり、「買い支え」効果が生まれる。

マーケットのモニター

つまり、ファンダメンタルズと呼ばれる経済の基礎的条件や、企業業績が悪化しても、株価はあまり下がらない、ということになるわけだ。

日本企業のコーポレートガバナンスを歪めている

一方で、業績が好転する企業の株が買われる、という一般的な銘柄選定のメカニズムが働きにくくなることで、新型コロナが収束した後、世界の他の市場の企業の株価が大きく上昇する中で、「官製市場」化した日本の株価はあまり上がらない、ということになる懸念もある。まして、将来、日本銀行が金融引き締めに転じてETFを売却したり、年金の支払いが増えてGPIFの運用資産が減っていくことになれば、世界の株価や企業業績とは関係なく、日本の株価だけが下落していくことになりかねない。

もうひとつ大きな問題が、日本企業のコーポレートガバナンスを歪める懸念が強まっていることだ。GPIFや日本銀行は株式を実質保有しているものの、名義が表に出ることはない。株主としての議決権は、両者の基本方針に従って運用委託先が行使することになっている。年金資産を持つ国民の利益を最大にすること、日本銀行の利益最大化につながることなどを前提に運用金融機関の判断で株主総会の議案に賛否を投じるわけだ。

GPIFや日本銀行といった「公的機関」が議決権を行使することには議論がある。国民の資産を投じるのだから国民の利益を考えて議決権行使するのは当然だという意見がある一方、国家が民間企業の経営に口を出すことになり望ましくないという声もある。国が議決権行使に乗り出せば「国有企業」と同じになってしまう。

日産自動車の「実質2位の大株主」は国

現状は、金融機関の判断で議決権行使しているのでGPIFや日本銀行、ましてや政府が関与することはない、というのが建前だ。だが、実際には、大株主としてGPIFやその監督者である政府が影響力を持つ場面が実際に起きている。

フランスのルノーが発行済み株式の43.4%を保有する日産自動車では、2位以下の株主には証券を保管する信託銀行の名義が続き、具体的な社名が出てくるのは6番目の日本生命ぐらい。日本生命の保有株は5402万株で、発行済み株式数の1.28%だ。しかしGPIFが公表している保有株一覧によると、GPIFは5.4%に相当する2億2902万株を保有している。実質2位の大株主なのだ。

日産

日産を巡っては数年前にルノーが日産の支配権を強化しようと動き、カルロス・ゴーン失脚後の取締役選任などで対立した。その際、経済産業大臣に近かったGPIFの幹部が、日産の幹部に繰り返し接触。日産側は「実質大株主として、いろいろアドバイスをいただいた」(元取締役)という。

具体的にどんなアドバイスをしていたのかは分からないが、日産を日本企業として守ろうと動いていた経産省や政治家が、GPIFの大株主としての力を使おうとしたのかもしれない。

実質「国有化」が進めば、日本経済はゾンビ化する

企業経営者にとっては、公的資金による株式保有は「モノ言わぬ株主の復活」と感じるかもしれない。

生命保険会社や年金基金などの機関投資家は、近年、保険や年金の契約者の利益を第一に考えた議決権行使を求める「スチュワードシップ・コード」によって、会社側の提案でも「否」を投じるケースが増えている。業績悪化が続く経営者の再任に反対する例も増えている。また、海外のアクティビストと呼ばれるファンドからはまとまった反対票が投じられることも少なくない。そんな中で、GPIFや日銀ならば、そんなに厳しい議決権行使はしないだろう、というわけだ。

そうした経営者の「緩み」を公的資金による株式保有は生む可能性がある。また、GPIFや日銀に株を売られたくない企業が、こうした機関に影響力を持つ人物の天下りを受け入れることなども将来起きるだろう。

新型コロナ対策で検討されている「優先株」なら、議決権がないので問題ないだろうと思われるかもしれない。だが、議決権がなくてもその資金に支えられていることは変わらず、政府系金融機関やその背後にいる財務省、政府による間接支配が起きる懸念がある。

実質「国有化」の流れがこれ以上進むと、民間企業としての活力や経営者の気概が失われ、日本経済全体を「ゾンビ化」させることになりかねない。

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基準値超える大腸菌―中国

スナック菓子から

基準値超える大腸菌―中国

2020年10月21日、環球網は、中国の国家市場監督管理総局が基準値を超える大腸菌が見つかったなどの理由で7種類の食品を検査不合格と発表したことを報じた。

記事は、同局がこのほど16カテゴリーの食品465ロットのサンプル検査を実施したところ、農作物、インスタント食品、膨化食品、ハチミツ製品など7ロットが不合格になったとの通知を発表したことを紹介した。

北京のEC関連企業がスマートフォンのアプリを通じて販売していた、湖南省の食品メーカー製造の山芋スナック菓子は、大腸菌群が国の基準を満たしていなかった。また、浙江省で販売されていたマレーシア原産のインスタントラーメンも菌コロニー数が国の基準に適合していなかった。

また、中国大手ECプラットフォームの淘宝(タオバオ)内の店舗で販売されていた、山東省の食品メーカー製造のハチミツは、抗生物質クロラムフェニコールが国の安全基準を満たしていなかった。養蜂にあたり、違法に使用していた可能性があるという。

さらに、河南省で販売されていたスズキと安徽省で販売されていた淡水魚から、国の基準に合わない抗生物質エンロフロキサシンが検出された。こちらも、養殖業者が魚の伝染病を防ぐため大量の薬品を使用したか、薬品投与禁止期間の規定を守らなかったために、販売時点で基準を超える薬品が残留したものとみられる。(川尻)

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